2006-07-29から1日間の記事一覧

声の名残、散乱の海

苦しみから意識をそらせてみれば、かれは森の中にいた。苦しみは実体がなく、まるで内臓の不調のようで、先鋭ではないが去ろうとはせず、そして、得体が知れなかった。森は美しい多様な緑色で描かれていた。音楽はない。風もなく、指針もなく、北極星もない…