テンペスト

 結局、森の側の高速道路をつくろうとして永遠にサスペンドになってしまった工事現場、というか元工事現場に三人で穴を掘った。真名は、そこに、ビニールシートで床を作り、水を張るのだ、といった。何でそんなことをするんだよ、と聞くと、ここに海を作るのよ、といった。うちの市は海から遠い。楓が水は普通の水でいいんですか、と余計なことを聞いた。

 そこでぼくらは海へ向かった。

 空と溶け合う太陽。

 帰りはたくさんの灯油とかを入れるポリタンクの重さで気もくるわんばかりだった。