代議制 落とす投票 選ぶ投票

公約を守らせるためには、つぎの選挙で違約者は落とす必要がある。
他方、政策を実現させるためには、その政策を主張するものを選ぶ必要がある。

さて、ここから、ある無限ループが発生する。

わたしたちは、つねに「つぎの選挙では落とす投票をする」だから公約は守られるに違いないと考えつつ「今回の選挙では」選ぶ投票をする。そしてもちろん、つぎの選挙になれば、その時点での政策課題が争点となる。落とす投票というのは、つねに「次の選挙」で行われることになっている。

この矛盾は、いれかえても生じる。その場合には、いつまでたっても、「選ぶ投票」をすることができない。かといって、ランダムにあるいは交互に行ったとして、それで解決になるのだろうか。

もちろん、選ぶべき相手が落とすべき相手と別人であれば何も問題はないわけだが、そういう別人である場合が仮に多数派であるとしても、その時点で望ましい政策を掲げることで落とされることを回避できるなら、その望ましい政策が守られる拘束力は、このループの論理によってますます低下するはずで、公約が守られたとしても、それは、政治家によって恩恵として与えられるものでしかないんじゃないだろうか。