タマちゃん

その自然保護団体のやり方や姿勢は大いに問題があったようだ。正式に手続きもしていないし、実地の調査もしていないらしい。

が、だからといって、そういうことを調べる前に反射的に反発が出てくる、ということには問題を感じる。地元のマスコットであってほしい、というのは立派にひとつの勝手なエゴなので、野良アザラシを保護しようというのも地域の活性化に使おうというのも大げさなはなしで、もし、このアザラシのためをおもう、というのが本当なら、生息環境として東京湾がいいかわるいか、わるいならべつのところにうつす、というのは、当然出てくる発想で、その発想自体を非難するのはおかしい。(もちろん、今回の団体はやり方があまりに拙かった)問題はひとえに生息環境として適しているかどうかにかかわるはずだから、そういう事実確認をせずに反発が起きるというのが、奇妙な感じがする。

他方で、そういう過剰な保護はいけない、あれは自然なのだから自然に任せて見守るべきだ、という方針もそれなりにただしい、だがこの方針で一貫するなら、このアザラシが病気になったり、死んでもそういうものとしてほうっておくべきだ。だが、はたしてそういうふうに進むだろうか。

どうも、中途半端な気がしてならないのである。理屈が一貫していない。