特に書くこともないのでつらつらと

 日記っぽく。「エビータ」を見てからエビータについての本を読んだ。マドンナはあいかわらずすばらしいんだけど、アルゼンチン国民は怒るよな、という演出。もとのミュージカルがそうなんだろうけど。アメリカの政治思想はある意味明確というか単純で、政治的な「政府からの自由」と「集会結社言論の自由」を原則にしていて、それらがふみにじられる「独裁」となると、一切その功罪の功の部分は見ない。ペロニズムにはペロンのおもわくをこえて、進歩的な側面もたしかにあったという部分がちょっと捨象されすぎで(腐敗した独裁だったというのは勿論、事実だ)、エバに関する出所のあやしいうわさも事実にしてしまっている。まあ、フィクションだからしょうがないけど。
 それでもこの映画が微妙なのは、そういうエビータを肯定しているように見えることだけれど、それは肯定なのかどうなのかよくわからない感じであつかわれていて、この曖昧さは人間の矛盾をそれとして描くとかそういうのとはすこし違う気がする。たしかにそれはエビータ本人の曖昧さでもあるんだろうけど。
 でも歌はいい。バンデラスがいい男だからというだけの扱いなのは気のせいだろうか。というか、チェ・ゲバラの役だというのはいわれないときがつかないぞ。