地域通貨とアソシエーション

 山形さんが地域通貨批判をしていて、納得はしないのだけれど、反論というかきちんとそれがあたらないという主張をするとけっこう大変そうなのでうーむと思っている。地域通貨は原子的な個人としての経済人を想定してないというかそういう合理的な利益追求者として個人が立ち現れないように非経済的な面から抑制をもたらす仕組みだと思うので、経済学的なセキュリティホールはたしかにいろいろあるんだと思う。だから問題なのは地域通貨はそういう「貨幣」としての自己目的化や自己増殖をどうやって食い止めるかということなんだろう。
 イノベーションと利子に関しては、イノベーションインセンティブの問題と、イノベーションが生産の拡大へと帰結する仕組みの問題は別で、技術と文化レベルの進歩は、生産の量的拡大とイコールではないから、生産の拡大、経済の成長という意味では、たしかに地域通貨は停滞を志向しているのだと思う。すくなくとも積極的にそれを推進する仕組みはない。