うる星やつら オンリー・ユー

このアニメの終わり方を見て、これは「カリオストロの城」なのだと思った。(にしても押井さんはいいつくされているのだろうけど、戦争が好きなんだなあ)逆にいえば、ヒロインというか敵役のエルはクラリス(「カリオストロの城」のヒロイン)なのである。あと、レイが意外とかっこよくかかれていて、もしかしたら、彼は戦争の場面では有能とかそういう設定だと押井守的なテーマにつながってくるのかもしれないな、とおもった。考えて見れば、レイがあんな調子なのは、貴族のだめ息子なのだから、なのだろう。どうも、うる星やつらで、ラムがお姫様であることは忘れがちなのだけれど、要所では想起する必要のあることだと思う。それから、ラムの物語って、じつは、あたるが「本当に」悪いやつだったら、古臭い悲劇になってしまう、ということも覚えておくべきで、それが喜劇(というかファース、笑劇)になっている、ということはあたるの存在性格を語っていると思う。(そしてもちろん、うる星やつらの二番煎じと異なり、ラムがあたるを愛しているという以外は、かなり批判的で独立心の強い、バランスの取れた人格の持ち主で、こびたところがほとんどない、ということも忘れがちなところだろう。それと対照的に、少年誌の「ある日部屋に女の子が」パターンの作品では、多くの場合、女の子は、頭が弱いか、気が強い場合でもどこかコスプレ的で、実は気が弱いという設定のことが多い。そのあたりが願望充足的な役割からくる部分なのだろう)