id:tokyocatさん

そうですね……ぼくは、多分、不思議な現象を、霊的なものとして分類することで、そういう出来事を、わからないものとして、わかってしまう、片付けてしまう、そうすることで、わかろうとすることによってわからなさをきちんと明らかにするということをあきらめてしまう、却下してしまうように、思えるんだと思うんです。

理解不可能なものに驚くためには、ぎりぎりまで理解しよう。説明しようと悪戦苦闘することで、どうしても最後に残る、どうしても説明できない、そういう際まで追い詰められなければならないと思うんです。ホームズではありませんが。不可解なもののカテゴリーに分類することは、理解しようという行為の拒否だと思うんです。

ぼくは、霊的なものというカテゴリーを嫌悪するのは、そのカテゴリーが、事物を説明不可能なものとして安易に棚上げするからです。自然科学者はこの物質的世界を、自然を対象として恋愛していて、だから相手のことをもっと知りたいのだと思うのです。世界は謎に満ちている。だからこそ美しい。そして世界が存在することほどわからないことはない。おそらく、わたしにとって、オカルトは偽の解答によって解答を得ようという試みを阻害するから好きになれないのだと思います。