娘。

http://d.hatena.ne.jp/kokorosha/20040513#p1

娘。をぼくはとくに大好きなわけでもないけど、嫌いではない。紺野さんはかなり好き。

ぼくとしては、ココロ社さんが娘。に感じる、金井美恵子と矛盾するもの、の内実が見えない。ぼくは、娘。について、好きな人たちと距離をおきたくなるような何かを感じたことはなかった。

だから、この場合、説明してほしいというか、知りたいのは、その何かのもっと具体的な内実。たとえば、そういう何かを石原慎太郎長渕剛オー・ヘンリーや「課長・島耕作」や柴門ふみなんかにはぼくはたしかに感じる。それはゆるい言い方をすれば通俗性やうっとうしい世間というものへの表現のレベルでの加担みたいなものだ。

この件では、(それはどっちがいいとかわるいとかではなくて)、むしろココロ社さんのほうに、わかりにくさがあると思うのは、つまり、ひとが、あるいは多くの人が、そういう何かを娘。に認識した上で、それを肯定している、というのなら、そのひとたちが、なぜ、エリクスンや金井を好むのか、ということは、そういうひとたちのほうの「わかりにくさ」だ。

しかし、そうではなくて、そういう何かが別に娘。にはとくにない、というか感じていないのであって、ココロ社さんのほうが、そこに見出しているのだとすれば、その何かが、どういうものか、説明できるのはココロ社さんのほうだし、「わかりにくさ」はココロ社さんのほうにあるとおもう。

相手が過剰なものいいになるのも畢竟、その何か違和感の具体的な中身が提示されないからで、その提示されないものを否定しようとすると、いきおい過剰な物言いにならざるをえないのではないだろうか。

あなたのところにはアレがあるはずなんですが、なぜ見えないんですか、と聞かれても、そのアレがどういうものでどういう形をしていて、ということがわからなければ、うちにはそういうものはない、と証明するのは、ものすごく大変なことじゃないだろうか。

追記
http://d.hatena.ne.jp/crossage/20040513
この意見にすごく同感。

あとこの段落あたりの感じ方もよく分かる。
http://d.hatena.ne.jp/screammachine/20040512#p6