概念の習得と理解

ぼくは分かりが遅いので、固有名詞的な概念というか、字面から意味が推測できない哲学的概念を説明しないで多用する文章を読むと文脈自体分からなくなる。

概念には習得と理解があると思う。概念を適切に使用できるようになるのが習得、その意味を意識的に了解するのが理解。日常的な概念はほぼ習得しているだけであるか、定義的に同語反復的にしか説明できないがゆえに習得しかできないものなのだけれども、哲学的概念は、そうした日常的概念を分析し了解するためにあるのだから、習得するだけじゃしょうがないと思う。

哲学書を濫読すれば概念は習得できるだろうけど、それだと説明されるべき概念を増やすだけで、一向はなしが明快にならない。もちろん、表面的に理解しているだけではだめで習得しなければならない、という立場もあるだろうけど、こと哲学的概念については、話が逆なんじゃないだろうか。