西の善き魔女

西の善き魔女〈1〉セラフィールドの少女 (中公文庫)

西の善き魔女〈1〉セラフィールドの少女 (中公文庫)

評判が高い作品なのは知っていたのだけれど児童文学だとおもっていたせいかなんとなく読まずにきた。いや、児童文学のファンタジーも好んで読むんだけど、日本人の児童文学のファンタジーは当たり外れが大きいので。で、よんひゃんさんが別の場所でレビューを書いていらしたので読み始めたら、ぜんぜんべつだん児童文学な作品じゃなくて、ものすごく面白くぐいぐい読まされてしまった。基本の裏設定はル・グィン風。しかしどっちかというとキャラの立て方ではラノベのほうが近いかなと思った。ストーリーは王道。平行して読んでいるデルフィニアと才能の方向が似てるような気もする。見事にストーリーテーラー。ただ、読み終えて、けっこう伏線が張りっぱなしなところがあるよなあ、とか、ルーンの出自はややサービスしすぎ感もある。しかし、多くの場合児童文学の棚に並んでる小説に腐女子が出てくるとは……あと、ルー坊のイメージはジャンプ版封神演義の四不象(スープー)だとおもった。