はてなのシステム

http://d.hatena.ne.jp/kokorosha/20050509#p2
基本的にはそれほど異論はないのですが、現状のシステムにおいて、同格のほかのユーザーに削除提案されること自体が問題である、というニュアンスは違和感があります。削除の理由とか内容とか必要性とかがきびしく問われる、というのはわかるし、そのとおりだと思うんです。まして、現状、ユーザー削除の必要性はあきらかな登録ミス以外ではほとんどなくなっていますし。(実際かなり長い間ぼくは削除提案してませんし、その意思もありません)
感情的な問題としてはわかりますし、そういう配慮が求められるというのもわかるのですが、しかしユーザー削除ができる、それだけではなく、まずいとおもったら削除提案をしたり戻したりして、ユーザー同士で議論してください、というのは、はてなのシステム(抽象的で漠然とした意味ではなくて、サーバー側で日記などを実現しているアプリケーションの実装と、はてなの公式の規約やアナウンスという意味です)がそうなっているし、公式のアナウンスもそうなってきたことなわけですよ。また、そこがwikiに由来する部分でもあるわけです。
ですから、これからユーザー削除をなくすようにはてなに訴えよう、あるいはそういうコンセンサスをユーザーにつくろう、という話ならわかりますし、反対ではありません。(もちろん反対の人もいるでしょうが。この件についてはさまざまな意見があってむしろ混沌としているといったほうがいいです)、しかし、現状のシステムの上で、削除提案をユーザーがするということ自体が、逸脱的な行為だ、というふうに言うことはできないと思います。
たとえば特定の人たちが合意して削除しなくなったとしても、システムが変わらなければ、そのときは別のひとたちが現れるだけでしょう。ですから、根本的には、はてな側が、システムをどうするのか、という話なのではないでしょうか。もちろん、はてなが考慮するものとして、ユーザーの合意があったほうがいい、ということはあるでしょう。

また、では書き換えはどうなのかということも気になります。wikiに源流のひとつをもつシステムとして、あきらかにはてなのキーワードに作者はいないし、ひとの文章を書き換えることはむしろ推奨されているわけです。「誰かに属する」キーワードというのはないわけで、その点で、個人に属する文書を、ほかのひとが書き換えたり削除したりする行為がひどい行為だ、というのと類比的には語れない、と思います。
実際、誰かキーワードを登録した人が、あとでそのキーワードを削除したくなったとします。しかしあとから、そのキーワードを編集して気に入った人が、残すべきだと主張したとします。こういう場合、この最初に登録した人には削除する権利があるとkokoroshaさんは感じるでしょうか。つまり、「他人が」削除するのが問題なのか、ユーザーが削除するのが問題なのか、ということもあるわけです。むしろ感情的な違和感のほうはこちらの側、ユーザーが、ではなくて、他人が、のほうにあるんじゃないか。だとしたら、自由に他者が書き換えるもの、また書きかえるべきものとしてのキーワードの性質との兼ね合いは、そんなにすっきりとなくなったりはしないんじゃないかとも思えます。
もちろん、これはまた別の話であって、削除自体についてのぼくの意見はまとめると、現状ではユーザー削除は明らかな登録ミス以外は不要で、差別語など規約違反は管理者削除、誰も使わなさそうな言葉はリンク投票でなるようになるという感じです。しかし、公式に合意ができているわけでもアナウンスがあるわけでもないので現状のシステム自体は、ユーザー削除があることを前提にしているわけですから、その具体的な理由や必要性を問わずに、削除提案をしたこと自体で批判することはできないんじゃないか、ということです。