幽霊がいない理由

http://amrita.s14.xrea.com/d/?date=20030828#p04

うーん、ぼくには幽霊がいるかもしれないという人のいうことがどうしても理解できないんですよね。結論だけ言ってしまうと、幽霊がいないのは、事実の検証をしなくても証明できる言葉の定義の問題だとおもう。

幽霊が、いるとしたら、それは物理的にいることになってしまうわけで、それが科学で説明がつかなかったとしても、それは単にあたらしい物理法則が発見されたというだけのことだと思うんです。

たとえば、幽霊が見えるということは、錯覚でないとしたら、幽霊が可視光線を反射するということか、あるいは、脳に物理的に干渉した、というどちらかでしかありえないわけです。なぜなら、色というのは、わたしたちの身体の構造や必要によって定義されているものであって、身体を抜きにして色というものが意味をなすことはないわけです。原則的に、精神は身体によって定義されているので、身体から独立した精神というのは無意味です。同じように、音の聞こえというのは、わたしたちの耳の構造と不可分です。

幽霊が存在する、しかも文化的、社会的、言語的、つまり情報として存在するのでないなら、それはどういう言い方をしようと、物理的に存在するという意味でしかありえません。ですから、もし実際に幽霊を私が見たとして、そしてそれが、そういう情報論的な存在でないという証拠が何かあったとしたら、わたしは、単にあたらしい自然科学の法則が発見されたと考えます。物理的存在者と相互作用が成り立つということは、それが物理的な存在だということです。これは定義上そうなので、つまり、哲学的なレベルで、物理的な存在をせずに存在している、というのは、そもそも言葉として意味を持つことができない、と思っているわけです。(情報としての存在は物理的な存在も持っています)