捕捉用キーワード

id:mittyさんとかid:herecy8さんとかの議論も関連で。

その言葉を使っているひとを捕捉するだけの目的の登録はぼくは禁止すべきだと思う。この点はぼくは動かす気はない。百科事典的登録と国語辞書的登録という軸でいえば、ちいさめの国語辞書にのっているような、日本語を理解していさえすれば理解可能な類の言葉はキーワード登録すべきではない。

勿論、この主張は、現状では、ルール的な根拠を持っていないため、それ自体では強制力を持たない。わたしが志向しているのは、この認識がコンセンサスとして共有され、ルール化されることである。したがって、評議会がかかわるような、ルール違反ではないがコミュニティによって慣習的に忌避される登録を判断するような領域では主張するし、できればなるだけ多くの人に同意してほしい。

ではなぜ捕捉目的登録と国語辞書的登録に反対なのか。

第一に、日記内での使用の捕捉は、テーマ志向であるべきだとか考えるからである。日記間つながりと言う趣旨からいえば、その媒介となる語は、その日記の記述内容のテーマというか、対象というか、記述内容とかかわるものであるべきだし、そうでなければ、関心空間を共有するという利点は存在しないだろう。国語辞書的キーワードは、一般的過ぎるか、日記の記述の内容ではなく形式(言い回しのくせとか)にかかわるだけで、そうしたテーマ的関連には役立たない。どういう使われ方をしているか知りたいというのは、保護すべき利益とは思わない。こうした好奇心をとるか、つながりの利益をとるか、どちらをとるかというのは、ある程度バーターであって、私は後者をとるべきだと信じる、そういうことである。

第二に、リンクははてなローカルな意味以前に、もともと、記述からあるテキストをハイライトするものである。国語辞書的単語は、記述全体からハイライトされる対象という観点から見て、地と図という関係から逸脱している。(意図せざる強調の印象を強く読者に与える)したがってこの論点は自動リンクされないが捕捉するキーワードという(かねて要望している)ものができれば問題にはならない。cssやリンク切りで対処すべきという反論については次項。

第三に、現状ではかならずしも国語辞書的語と普通名詞カテゴリーは一致していないので、簡単に国語辞書的語だけを切ることはできない。したがって、過剰な自動リンクのコストを、登録側と登録しないでほしい側のどっちが負担すべきかという点について、コストの簡単さを理由にどちらか一方が負担すべきだとはいえない。その点で、リンクをきる手段が提供されているのだから、という主張には同意できない。すべてのリンクをきったり、cssで不可視化するとすれば、不当に、キーワードの利益一般の放棄をとるか、過剰な自動リンクの不利益をとるか、あるいは地道に多大なコストを払って手動で切るかという選択をしいられるからである。

というわけで、
http://d.hatena.ne.jp/soujitoban/20040302#p1
には凡そ賛成。