はてなアイデアの株式システム
基本的な問題点は、経済と要望とで類似していない点にあると思う。
経済と違って、もっとも需要されたアイディアが、もっとも供給されるアイディアではないわけで、現行の仕組みが、表面化させるのは、あくまでも、供給(実装)に対する予測であって、需要(要望)に対する予測ではない。
需要はそれ自身に供給を引き起こす能力をもっているけれども、要望は実装をそれ自身で引き起こす自動的メカニズムをもっておらず、あくまでも、はてなの判断が介在する。
したがって、この仕組みが、実装に対する予測であるのみならず、要望に対する予測でもあるためには、はてなが、要望の絶対量に自動的に比例して実装するというルールで動かなければならないけれども、これは勿論、不可能なわけで。
勿論、株式部分ではなく素朴な市場部分は実需要(要望)の多寡に比例しているので、完全に投機的に実需要から乖離することはないと思うけれども。
つまり、実装への予測を市場取引の形で集合的に形成したところで、それはあくまでも実装の予測であって、需要の予測ではないのだから、はてな側が、実装に当たって、これが実装されるだろうとみんなは予測しているな、という情報は、はたして役に立つのか、というと、全然役に立たないと思う。
だから、たとえば、実装に当たって配当がなされるのではなく、その要望の順位によって配当がなされることにすれば、実装ではなく要望の予測にはなるかもしれないが、ちょっと関係付けとしては、弱い気がする。
(このへんid:svnseedsさんとかがみたらどう見えるんだろうか)
それと、現行のアイディア投稿の基本モチベーションは要望そのものであって、ポイントではないわけで、ポイントに、それ目当てでなされる取引や予測が正確なものになるほどの吸引力を求めるのははっきりと無理だと思う。ポイントは合理的に使うだろうと予測していた、という話もあったけれど、極端な話、ポイントは、要望一つにつき、1ポイントあれば、要望するには十分なのであって、たくさんあっても、無駄遣いしても、全然損したという感じがしない。そのへんも、アイディアポイントが機能しない理由ではないかと思う。